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第11話 誓いなの

聖王教会付属病院

ティアナ・ランスターと書かれた札がかかった部屋のドアをノックする。

「はい、どうぞ」

「おじゃましまーす」

「おじゃまします」

ドアの向こうのティアは、すごく驚いた顔をしていた。

「な、なのはさん」

「久しぶり、ティアナ。元気だった?」

「あ、はい。…すみません、私…」

申し訳なさそうに、うつむくティアナの肩になのはさんは優しく手を置く。

「気にすることは無いよ、ティアナ。それより、フェイトちゃんがいなくなる直前まで一緒にいたティアナの口から…直接聞かせてくれないかな?あのときのこと…」

ティアの話は、前に私が聞いた内容とほとんど同じものだった。

「…それで、私は倒されて…目が覚めたら病院のベッドでした」

なのはさんはティアが話をしている間、大丈夫だよ、と言っているかのように、ずっとティア肩を抱いていた。やっぱり、なのはさんは優しいな…

「…」

どうしたんだろう?なのはさんは何かを考えているかのように、眉を寄せている。

「ティアナ」

「はい、なんですか?」

「フェイトちゃんは、爆発事故の調査に行ったんだよね?」

「はい…そうですけど」

「それについて、フェイトちゃんは何て?」

「たしか…ロストロギア関係かもって…」

爆発事故に…ロストロギア…もしかして!

なのはさんを見ると、なのはさんも同じことを考えていたのか、ゆっくりと頷いた。

「ありがとう、ティアナ。ゆっくり、怪我を治すんだよ。…待ってるからね」

「…はい…」

「それじゃあ、私は、この件を報告するために、先に本部まで戻るけど…スバルは好きな時間に戻って来れば良いからね」

「はい。」

「またね、ティアナ」

「はい。お見舞い、ありがとうございました」

ガラッ…パタン

なのはさんが部屋から出て、部屋の中には、私とティアは二人だけになった。

「検査結果、良かったね。もうすぐ退院できるみたいだし…」

「部隊の皆や…あんたにも…迷惑かけちゃってるわね、ごめん」

「そんな…」

そんな言葉が、私は欲しいわけじゃない。

「ね、ティア」

「ん?」

「私はね、ティアを信じてる。だから、待ってるよ。機動六課で」

「スバル…」

「ティアなら…私とティアなら、きっとどんな事件にも立ち向かえる。きっと、大丈夫だよ。私は、パートナーを…ティアを待ってるから」

そうだ。

二人ならきっと…なんだってできる。

そのときの私は、自分にそう言い聞かせていた。

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最終更新時間:2008年04月01日 18時57分54秒